よく吠える、やたら咬みつく、あちこちで粗相するなど、一緒に暮らす犬や猫の困った行動に悩まれている方は少なくありません。
ただ、「性格だから」「しつけが悪かった」などと理由をつけて我慢しているという声もよく聞きます。
もちろん生育環境やしつけなどが影響する場合もありますが、体や脳の疾患により困った行動が表れることも。
とはいえ、こんなこと動物病院で相談していいのかな?とためらってしまった経験はありませんか?
そこで今回は「犬猫の困った行動オンライン相談」の事例をご紹介します。
(クライアントさんから許可を得ています)
怒っても効果がない
今回ご相談を受けたのは、5歳のトイプードルの男の子です。
この子の困った行動は主に次の4つ。
- 布団やチェアなど本来トイレではない場所で排尿する
- たびたび家族を出血するほどの強さで咬む
- 落ちているものを盗み食いしたり破壊する
- 過剰に吠える
飼い主さんはそのたびに𠮟ったりなだめたりしていたそうですが、それでおさまることもなく、特に不適切な場所での排尿にお困りでした。
「トレーニングをしてこなかったからかも」「この子の性格のせいなのかな」と悩む日々が続いていたそうです。

問診票の記入とヒアリングで詳しい状況を共有
オンライン相談では、事前に記入してもらった問診票をもとに、状況を詳しく伺っていきます。
困った行動そのものについてだけではなく、家庭環境や育ってきた様子、普段の生活スタイルなどを確認し、行動の背景を探っていきます。
排尿を失敗するといっても、たとえば飲水量が多くトイレに間に合わない、痛みなどからトイレを使いづらいなど身体的な原因から、トイレシーツよりじゅうたんなどの感触が好きで排泄してしまう、恐怖により排泄してしまうなど行動学的な原因まで、その理由はさまざま。
またこのコのように、ほかの問題行動も複雑にからむことも多く、広い範囲にわたり詳しい状況を聞き出す必要があります。
鑑別診断とご家庭でできる対応のご提案
ヒアリングをもとに考えられる要因を整理し、鑑別診断を挙げました。
そのうえで、すぐにご家庭でできそうな対応策をレポートにまとめ、飼い主さんへお伝えしました。
この子の場合、身体的な疾患が要因のひとつとして考えられたため、かかりつけの動物病院での受診をおすすめしました。
しつけが悪かったかも?と悩まれていたのが、ほかにできることがあるかも!と前向きに考えることができた様子でした。
攻撃行動や不適切な場所での排尿は、犬にとっても飼い主さんにとっても大きな負担になります。
それにもかかわらず、「しつけが悪かったのかも」「この子の性格だから仕方がない」と思い込んで、我慢しながら生活している方は少なくありません。
しかし、犬の行動には必ず理由があります。行動の背景を理解し、適切な対応をすることで、状況が改善する可能性は十分にあります。
困った行動に取り組むのは、このコを大切に思う気持ちを伝えること
このサービスでは診断や処方は行いませんが、
- 問題行動が起こる背景を整理する
- 家庭の状況に応じた対応策を提案する
- 必要に応じて行動診療科を紹介する
といったサポートが可能です。
また、部屋の使い方などを修正する必要があるときは、ご家族と犬猫にとってちょうどいい動線や収納などをプランニングするサービスも提供しています。
それも獣医&ライフオーガナイザーであるわたしがお役にたてるところ!
特に、攻撃行動の場合、「咬むことでイヤなことが回避できる」という経験を積んでしまうと、その行動が強化されてしまう可能性もあります。
早めに適切な対応をとることで、より良い関係を築くことができます。
これまで出会ってきた飼い主さんの多くは、困った行動をとる犬猫に対して「自分が悪いんだ」と責めることが多いように感じます。
でも、犬猫とお互い幸せになりたくて一緒に過ごすことを選んだはず。
犬猫の困った行動は、なかには全て解決するのが難しいものや、お薬を与えたりご家族が対応を学ぶ必要があるものも多いですが、もちろん関係性が改善されることも多いです。
ひとりで抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。