「片づけなきゃ、ってわかっているけど…」
「なんで片づけが苦手なんだろ?」
片づけに悩む方に、ライフオーガナイザーは寄り添います。
そのときとても大切なのが、“訊く”ということ。
私は日本ライフオーガナイザー協会の専科資格「CLO(Certified Life Organizer)プログラム」を継続して受講しています。
このプログラムでは、慢性的に片づけが苦手な方を専門的に支援するための知識と視点を学びます。
その一環として月に一度、受講メンバーとともにオンラインでの勉強会に参加しています。
「訊く」には種類がある—ヒアリングとアセスメント
今回の勉強会でのテーマは、「質問」でした。
ライフオーガナイザーが行う“訊く”には、いくつかの目的があります。
クライアントさんの思いを引き出す「ヒアリング」と、現状や背景を客観的にとらえる「アセスメント」。
似ているようで違うこの2つを、どう使い分けるのか——そんなことをじっくりと考える時間でした。
質問の内容も、「主観的なことを聞くのか」「事実確認をするのか」「行動の背景を探るのか」など、目的によって変わってきます。
「片づけのどんなことに困っていますか?」
「ここにはどんなものがありますか?」
「そのやり方をしている理由はなんですか?」
一見当たり前の質問のように見えて、じつはとても奥が深いのです。
「本当はこうしたい」を一緒に見つけるために
勉強会では、受講メンバーそれぞれが「普段の質問で意識していること」「何を大切にしているか」をシェアしました。
どのメンバーも共通していたのは、“相手をよく知りたい”という気持ちから質問しているということ。
ただ状況を聞くだけでなく、その人が何を望んでいるのか、どんなことでつまずいているのかをていねいに汲み取るために問いかけているんですね。
わたしがこの学びを通していちばん大切にしたいと思ったのは、「クライアントさん自身が、自分の“本当の思い”に気づくのを支えること」です。
「片づけが苦手」
その言葉の奥には、まだ言葉になっていない気持ちがあるかもしれません。
だからこそ、じっくりと話を伺い、安心できる関係のなかで、
「そうか、わたし、本当はこうしたかったんだ」
という“気づき”につながるようなサポートができたらと思っています。
CLOでは、片づけに影響する多様な背景について学んでいます。
だからこそ、「どう訊くか」「どんなふうに応じるか」も含めて、ライフオーガナイザーとしてのあり方を深めています。

片づけって、知れば知るほど「正解は人の数だけある」という言葉の通りだなあと感じます。
それを一緒に探すお手伝いをするのがこの仕事。楽しく夜が更けていきます。