犬猫のケージやクレートの位置を「とりあえずここでいいか」と決めていたり、お世話グッズが“なんとなく”で置いていませんか?
最初はそれで問題ないように見えても、実はそれが犬猫にとって落ち着きにくい環境になっていたり、家族にお世話の小さな負担がかかってしまうこともあります。
犬猫は言葉で伝えられないぶん、落ち着ける環境や安心できる距離感がとても大切です。
そしてそれは、飼い主さんにとっての「お世話のしやすさ」と実は深くつながっています。
忙しい毎日の中でも、犬猫を大切にしたい。
その気持ちを“がんばること”ではなく“環境で支える”ために、まずは 3つのポイントで整える環境づくり を意識してみましょう。
目次
ステップ①:犬猫が安心・安全に過ごせるスペースを整える
「ちゃんとお世話できるかな」「忙しくても快適にしてあげたい」
——そう感じている飼い主さんに、まず注目してほしいのが環境を整えることです。
犬猫が安心できる場所とは、食べる・休む・身を守ることが安全にできる場所。
そんな場所を確保してあげることが、いっしょに暮らすうえで大前提となります。
そのためには次の3つのポイントをチェックしてみてください。
①外部の刺激ができるだけ少ない場所
犬猫は、私たちよりもずっと聴覚・嗅覚・視覚が敏感。
テレビの音、通行人の影、キッチンの匂いなど、人には気にならない刺激がストレスになることもあります。
家族の気配を感じつつも、できるだけ静かで出入りの少ない場所を選びましょう。
リビングの一角でも、家具の配置を工夫すると“安心ゾーン”をつくることができます。
② 逃げ込める・こもれる場所をつくる
犬猫は「いつでも隠れられる場所」があると、安心して行動できます。
見晴らしのいい場所よりも、少し囲われている方が落ち着く子も多いです。
おすすめは ケージ+クレートの併用。
①でお伝えした場所にケージを設置し、生活エリアを確保します。
その中にクレートを置いて、落ち着いて過ごす個室とします。
普段からクレートで過ごしたり休む練習をしておくと、通院時や災害時など、いざというときにもスムーズです。

③ 口に入る可能性のあるものを取り除く
子犬・子猫期はもちろん、成犬・成猫でも、思わぬものを口にしてしまうことがあります。
人の食べ物の盗み食いから電気コード、観葉植物、おもちゃなどなど…実にバラエティ豊か。
見える場所だけでなく、“うっかり届く位置”にあるモノも点検しておきましょう。

ステップ②:人の生活動線と犬猫のお世話動線を近づける
忙しい毎日の中で、犬猫のお世話を“特別なこと”として切り離してしまうと、だんだん「手間」と感じやすくなってしまいます。
けれど、人の生活動線と犬猫のお世話動線を近づけるだけで、無理なく続けられる環境になります。
① 使う場所のそばに、使うものを
たとえば——
- リード・散歩バッグなど外出グッズや帰宅したときのお手入れグッズを玄関に
- トイレ掃除用品やペットシーツ・トイレ砂などをトイレのすぐ横に
- トレーニングの際はごほうびを持ち歩く
これだけで、動く距離と手間がぐっと減ります。
お世話が“習慣化”しやすくなるのもこの配置のおかげ。
② 取り出しやすく、戻しやすい収納
日々のお世話で欠かせないことは食事やトイレ。
そして体のお手入れや掃除、予防や治療のために投薬が必要となる場合もあります。
毎日のこととなるとそれなりに手間がかかりますし、「ただでさえ忙しいのにできるかな?」と不安になりがち。
こうした動作をラクに続けるためのしくみ作りが片づけです。
- 使って戻すまでの動作数を減らす
- 中身や量がすぐ分かるようにする
犬猫のお世話に限らず、普段何気なくやっている家事などもこのような視点から整えておくと、流れがスムーズになり、普段の生活に自然に組み込めるようになります。
ステップ③:家族みんなが続けられるしくみをつくる
犬猫との暮らしは、いつも予定通りとは限りません。
通院、残業、子どもの行事……
「今日は誰かに頼みたい」という日もありますよね。
だからこそ、家族の誰もが迷わずお世話できるしくみが大切です。
- ごはん・薬・トイレ用品の収納場所を明確に
- 食べた量や飲水量、トイレの様子などを可視化
- 動物病院の受診ツール(診察券、保険証など)をセットにしておく
こうした工夫で、「自分がいなくても安心」が生まれます。
そしてそれは、犬猫にとっても一貫した安心感につながります。
メインでお世話する方だけが頑張りすぎず、家族全員が自然に参加できる環境を整えることで、犬猫との暮らしは最適化していきます。
犬猫の安心と、人の暮らしやすさ。その両方を支えるのは環境
犬猫と暮らす家を整えることは、見た目をきれいにすることでも、完璧に片づけることでもなく、お互いが安心して過ごせるしくみを整えること。
それを叶えるために大切なのは、
①安心できるスペース ②動線の工夫 ③家族で続けられるしくみ
です。
環境を変えると、行動が変わり、関係も変わります。
犬猫は「整った環境」の中で、落ち着き、信頼し、のびのびと行動できるように。
そして飼い主であるあなたも、無理なくお世話が続けられる“心の余白”を持てるように。
犬猫を迎える前の準備については、後日詳しくご紹介します。

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獣医師・ライフオーガナイザー®。
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獣医師としての行動学の知見を活かし、暮らしと空間の「しくみづくり」をサポートしています。
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