愛犬や愛猫が意外なものを食べてしまい、困った経験はありませんか?
フードやおやつ以外食べないよ、というコも多いですが、食べられる・食べられないに関わらず口にしてしまうコもいます。
チョコレートや玉ねぎのように、人に無害でも犬猫には中毒を引き起こすことがよく知られている食べ物があります。
また、食べ物ではないもの、消化できないものは体内で詰まってしまうことも。
わたしもこれまで動物病院で実にさまざまな誤食と戦ってきました。
レーズン、ユリ、茶葉、風邪薬、睡眠薬、靴下、ラグマット、ボタン、殺鼠剤などなど。
催吐処置で回収できるものもあれば重篤な症状に至る場合もあり、「食べちゃった!」で済まないことが多いです。
そんなとき、「ダメ!」と叱ったり、口にしているものを取り上げたりするのは、実は逆効果になることも。
今回は、誤食のリスクを減らしつつ、飼い主さんも快適に暮らせる空間づくりのヒントをご紹介します。
犬猫に「ダメ!」は通じない
犬や猫にとって、人間が「ダメ」と叱る行為は、自分がしている行動と関連付けられにくいことがほとんどです。
特に、何かを口にした瞬間に叱られたとしても、必ずしもかれらは「それを食べることが悪い」と理解できるわけではありません。
また、口にしたものを取り上げようとすると、動物によっては攻撃行動が表れることもあります。
口にしているものを「自分のもの」として守ろうとする自然な反応ですが、飼い主さんが噛まれる危険も伴います。
そのため、叱るよりも食べてほしくないものを口にしないよう環境を整えることが、誤食防止の第一歩となります。
「とりあえず届かないところに隠す」が長続きしない理由
「食べられると困るものはとりあえず隠しておこう」と考えるのは自然なことですが、隠すのってけっこう難しいですよね。
たとえばこどもの細かなおもちゃ、カーテンやタオルといった布製品など。
日常的に使うものを毎回しまったり、取り出したりするのは手間がかかるし、そもそも隠せないものもあります。
そこで大切なのは、家族の生活動線と犬猫の行動を考慮した空間の使い方です。
- 家族ひとりひとりが家庭ではどのような行動をしているか
- 犬や猫はどこでどう過ごしているか
- どんなものを口にする可能性があるか
- 家族の片づけのクセは
- 何を優先させたいか
こういった条件を並べて俯瞰し、お互いが暮らしやすく安全な空間の使い方を考えることになります。
誤食の背景にあるものは?
食べないようにする工夫も大切ですが、それに加えて他の行動でかれらの欲求を満たすことも重要。
運動や遊びの機会を増やすのもそのひとつの手段になります。
誤食行動が繰り返される場合、それが動物のストレスや不安、病気のサインである可能性も考えられます。
たとえば、分離不安や過剰な食欲(多食症)、さらには身体疾患が隠れていることも。
そのため、頻繁に誤食が起こる場合は、かかりつけの動物病院や行動診療科の獣医師に相談することをおすすめします。
誤食を防ぐ空間づくりにライフオーガナイザーができること
誤食を防ぐ空間づくりには、片づけだけではなく、その動物の性格や生活習慣、家庭ごとのライフスタイルを踏まえたアプローチが必要です。
そこはライフオーガナイザーであり獣医師であるわたしの出番!
行動診療科とライフオーガナイズの知識とこれまでの経験を活かしてお手伝いします!
「どうやって片づけたらいいかわからない」
「生活しやすい環境を保ちながら誤食を防ぎたい」
とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
飼い主さんと愛犬・愛猫が安心して快適に暮らせる環境を一緒に作りましょう。