ライフオーガナイザーとして活動していると、クライアントの困りごとを聞いたときに、
「それなら、こうしたほうがいいのでは」
「この収納方法に変えたら解決しそう」
「まずはここを整えたほうがいい」
と、すぐに解決策が思い浮かぶことがあります。
これはわたしたちに備わっている「正したい反射」。
相手の困りごとを聞いたときに、相手を正しい方向へ導きたくなる反応のことです。
困っている人を助けたい。
少しでも早くラクになってほしい。
自分の知識や経験が役に立つなら伝えたい。
そんな気持ちがあるからこそ、出てくる反応でもあります。
けれど、その反射のままに提案してしまうと、目の前の方が本当に困っている理由を見落としてしまうことがあります。
やり方を提案する前に必要なこと
今は、片づけの情報が本当にたくさんあります。
SNSを開けば、美しく整った収納が流れてくる。
本を読めば、物を減らす方法が紹介されている。
テレビでは、プロが短時間で部屋を見違えるように整えている。
それを見ると、
「これが正解なんだ」
「私もこうしなきゃ」
と思ってしまい、それができない自分を責めてしまう方は多くいます。
そんな状態の方に「正しいやり方」を提案することは、場合によってはさらにつらい思いをさせてしまうかもしれません。
そのため、ライフオーガナイザーはクライアントさんがどこでつまづいているのかを見ます。
「わかっているのにできない」には理由がある
私が学び続けている日本ライフオーガナイザー協会のCLOプログラムでは、協会が提携する海外の研究機関ICD(Institute for Challenging Disorganization)のウェビナーを月1回、同時通訳で聴講できる機会があります。
先日聴講したウェビナーでは、心理学者のアリ・タックマン氏によるADHDに関する講義がありました。
そこで学んだ内容は、特定の診断名がある方だけに関係するものではなく、片づけに悩む多くの方の支援にもつながるものでした。
ここでも、クライアントの困りごとに対して解決策を出す前に、まず質問することの重要性が強調されていました。
- 何が邪魔をしているのか。
- どの段階が負担になっているのか。
- どんな環境や声かけ、仕組みがあれば動きやすくなるのか。
こういったことを見るためには、自分の中での「正したい反射」に気づき、一度立ち止まることを改めて銘じました。

探したいのは「正解」ではなく「あなたの最適解」
片づけで苦しんでいる方の中には、すでにたくさん頑張ってきた方が多いです。
本を読んだ。
動画を見た。
収納用品を買った。
一気に片づけようとした。
何度もやり直した。
それでもうまくいかなかったのはあなたに合う方法にまだ出会えていないだけだったかもしれません。
片づけは、誰かの正解に自分を合わせる作業ではありません。
自分の暮らしを見つめて、自分に合うやり方を探して、必要なしくみを作っていくこと。
ハナサカライフでは、その過程を一緒に進めていきます。

獣医師・ライフオーガナイザー®。犬猫と人が安心して暮らせる住まいを整える専門家。獣医師としての行動学の知見を活かし、暮らしと空間の「しくみづくり」をサポートしています。江南市を拠点に、訪問・オンラインで対応中。
公式サイト:ハナサカライフ
