犬や猫が荒く呼吸をしながらそわそわしたり、震えたりしている姿を見て「何か不安なことがあるのかな」と思ったことはありませんか?
わたしたち人間が感じるのと同じように、犬猫も不安を感じます。
動物病院に連れてこられたときや、飼い主さんと離れるときなどを想像される方は多いでしょう。
不安は犬や猫の行動にさまざまな影響を与えます。
震えや落ち着きのない動きは、比較的わかりやすいサインですが、不適切な排泄や家具の破壊行動といった形でも現れることがあります。
また、はっきりとしたきっかけがなくても不安を感じやすいコもいるのです。

犬猫のこうした行動を見ると「どうしたらいいの?」と困ってしまうこともありますよね。
飼い主さんの中には「大丈夫だよ」と声をかけたり、なでたりして落ち着かせようとする方が多いと思います。
ただ、いくらなだめても落ち着かない場合や、むしろさらにエスカレートしてしまうことも。
不安が強いとき、動物病院での診察や処置がペットにとってさらにストレスになり、その様子を見た飼い主さんも病院に連れて行くことをためらう…そんな負の連鎖が起きてしまうことも少なくありません。
犬猫の困った行動の根底に不安があることも
こうした犬猫の困った行動を診療の対象とするのが、獣医行動診療科です。
行動診療では、そのコがなぜその行動をとるのかを体、心、そして環境といった多角的な視点から探っていきます。
困った行動が不安によることもあるし、もちろんそれ以外にも原因となり得ることはさまざま。
本人(本犬?本猫?)が自分の感じるつらさを言葉で訴えてくれるわけにはいかないので、実際の行動を観察したり、普段の生活の様子を飼い主さんから詳しく聞き取ることがとても大切です。
不安は片づけにも関係する
実は、この「不安を知る」アプローチは空間の片づけ作業にも当てはまります。
片づけが苦手な人の中には、何らかの「不安」を抱えていることも。
「これを捨てたら後で後悔するかも」
「全部片づけるのは大変そうで気が重い」
など、不安が行動の妨げになるケースは意外と多いのではないでしょうか。
先日参加したCLOプログラム受講者の勉強会は、まさしく【不安】がテーマ。
クライアントさんが感じる不安やその程度を把握し、どうサポートできるかを話し合いました。

忙しい日々の中で「やらなきゃ」と思いながら動けない時、なにか不安を感じているのかもしれません。
ただ自分がどんなことに不安を感じているのか、漠然としていてはっきりしない場合も。
そんなときに有効なのが、思考の整理から始める片づけであるライフオーガナイズなんです。
CLO勉強会は、メンバー自身の体験や知識など意見交換することで、自分の引き出しがどんどん増えていく感がたまらない!

不安はゼロにはできない、けれども減らすことはできる
不安はわたしたち人や犬猫にとって自分を守るための正常な反応。
脳の障害など特殊な条件を除いて、無くすことはできません。
ただ、不安の正体を知ることで、もしかしたら減らせるものもあるかもしれません。
わたしも獣医師として、ライフオーガナイザーとして、一人ひとり、一頭一頭に寄り添ったサポートを続けていきたいと思っています。
もし、犬猫の行動に「これって不安なのかな?」と思うことがあったり、片づけに不安を感じる方はぜひ気軽にご相談くださいね。
忙しい日々の中で、あなたと犬猫の生活がもっと楽しく、快適になるお手伝いができたらうれしいです。