犬や猫のごはんを用意して、トイレを掃除して、必要なケアをする。
その間に仕事や家族のことも進めていると、片づけまでは手が回らない日もあります。
フードの袋や計量カップが出たままでも、犬猫のお世話ができていれば、ひとまず一日は終えられます。
少し使いにくい、探しものが多い、使ったものを戻すところまでできない。
そう感じながらも、「今は仕方がない」と過ごしている方もいるのではないでしょうか。
けれど、片づけきれていないこと一つひとつは小さなことでも、繰り返されると、飼い主さんの時間やエネルギーを少しずつ使うことになります。
こんなとき、過去から溜まっているものよりも、今日も明日も繰り返す犬猫のお世話の流れを見直してみるのがおすすめです。
毎日繰り返すお世話の流れを整えること=仕組みを作ること
床に出ているものや、収納からあふれているものが気になったときに「片づけよう」と決意する方が多いと思います。
その一方で、犬猫との暮らしはリアルタイムで進行していきます。
犬猫のお世話に使ったものも、次に使える状態へ戻す必要があります。
ごはんやトイレ掃除など、一つのお世話を「必要なものを出す・使う・元に戻す」ところまで、今より少ない負担で終えるには?という視点で考えることは、暮らしに合わせた仕組みを作ること。
毎日必ずする必要があるお世話をラクにできる仕組みを基礎として、ほかの家事や仕事にも応用することができます。
その結果、少しずつでも時間と気持ちのゆとりが生まれていくのです。
「お世話に使うものを全部片づける」では、範囲が大きすぎる
「犬や猫のお世話に使うものを片づけよう」と考えても、なかなか取りかかれないことがあります。
それは、やる気がないからとは限りません。
犬猫との暮らしには、フードや食器、薬、トイレの掃除道具、散歩に使うもの、ブラシやシャンプー、おもちゃなど、さまざまなものを使います。
使う場面も頻度も違います。
何を残すのか。どこに置くのか。犬猫にとって安全か。家族と共有できるか。在庫はいくつ必要か。
さまざまな角度から判断することが必要になるため、一気に進めるには負担が大きいのです。
そのため、毎日繰り返しているお世話を分解して考えてみましょう。
- 朝のごはんを用意して、使ったものを元に戻す
- 薬を飲ませて、次に使える状態へ戻す
- 猫トイレを掃除して、ゴミを処理する
- 散歩から帰って、リードや足拭き用のタオルを戻す
このくらいまで範囲を絞ると、どこで負担が生じているのかを見つけやすくなります。
一つのお世話を、始めから終わりまで見る
たとえば、犬や猫のごはんを用意する場面を考えてみましょう。
フードを収納場所から出す。袋を開けて量を測る。食器に入れる。袋を閉じて戻す。使った計量カップや食器を洗う。残りが少なければ、次のフードを用意する。
「ごはんを用意する」という一つのお世話にも、これだけの動作が含まれています。
途中で手が止まったり、使ったものが残ったりするなら、「ちゃんと片づけなければ」と考える前に、一連の動きの中で何が起きているかを見てみます。
- フードの収納場所が、いつも用意する場所から遠すぎないか
- 袋が重く、毎回出し入れすることが負担になっていないか
- 計量カップの戻し場所が決まっているか
- 使った食器を洗う場所まで、ものが途中に残りやすくなっていないか
- 空になった袋を捨てるために、別の部屋まで行く必要がないか
ここで探したいのは、一連の動きの中で、余分な手間や判断が生じている場所です。
その流れを見るだけでも大丈夫。
どこで止まりやすいのかが分かれば、次に変える一つを考えられます。
試しながらちょうどいい方法を探していく
負担になっていることが分かったら、そのうち一つを変えてみます。
ここでのポイントは小さく試してみること。
最初から完璧なやり方を見つけなければならない、と考えると動けなくなってしまうことがあります。
試してみると、例えうまくいかなかったときも「こんなところが自分には合わなかった」「それならこの方法はどうだろう」と判断材料が増えます。
人が無理なく戻し続けられることも、大切な条件です。
ただ、人にとって便利でも、犬猫が自分で開けられたり、届いたりする場所では、安全を保てないことがあります。
犬猫の行動範囲や興味の持ち方を考えながら、犬猫には届きにくく、家族には使いやすい場所や収め方を試していきましょう。

犬猫のお世話がラクに回る方法を、一緒に考えます
毎日繰り返している動きは、自分にとって当たり前になっているため、どこに負担があるのか気づきにくいことがあります。
また、止まりやすい理由が分かっても、犬猫の安全、家族の使いやすさ、収納スペースの条件を一人で整理するのが難しい場合もあります。
そんなときは、誰かと一緒にお世話の流れをたどることで、「ここで毎回探している」「この動作が面倒で後回しになる」「この場所なら犬には届かず、人は戻しやすい」といったことが見えてきます。
ハナサカライフの「犬猫と暮らす家の片づけ作戦会議」では、犬猫の行動と、ご家族がお世話をするときの動きを実際に確認。
どこで手が止まり、ものが残りやすくなっているのかを整理して、それぞれのご家庭に合う方法をご提案します。
家全体を一気に変えなくても大丈夫です。
まずは、今日も繰り返している一つのお世話を、今より少しラクに終えられる形へ。
自分と家族、そして犬猫のそれぞれに合う方法を、できるところから探してみませんか。

獣医師・ライフオーガナイザー®。犬猫と人が安心して暮らせる住まいを整える専門家。獣医師としての行動学の知見を活かし、暮らしと空間の「しくみづくり」をサポートしています。江南市を拠点に、訪問・オンラインで対応中。
公式サイト:ハナサカライフ
