体重管理は健康管理
散歩中や画像でスッキリスリムな犬や猫たちの姿を目にして、ふと
「なんかうちのコ最近ぷよってる?」
と感じたことのある方は多いのではないでしょうか。
膝や腰などの痛み、呼吸器などの病気の管理として適正な体重・体格に保つことを診察時にお話しすることはよくあります。
体重を適切に保つのが健康管理に重要なのは、人も犬猫も同じ。
しかし管理するのが犬猫側でなく飼い主さん側というのが異なります。
健康のために食事内容や量を適正にして、おやつをあげすぎないようにして、運動もしなきゃね。
そう考える飼い主さんが大多数だと思います。
しかし
「なかなかダイエットできないんです」と嘆く飼い主さんの声をよく聞くのも事実。
避妊・去勢したコはどうしても太りやすくなってしまいますが、それに加えて
- ダイエットの必要性を感じていない
- ついついおやつや食べ物を与えてしまう
- 犬や猫が食べものへの執着が大きい
といったこともダイエットをしづらくする要因となります。
目を潤ませてじっと物欲しげに見上げる犬や猫にダイエットの必要性を説くのは、はっきり言って不可能。
では飼い主さんのほうでできることはないでしょうか?
今回は犬猫のダイエットに取り組みやすくなる3つのポイントをお伝えします。
実はモノや空間の片づけと共通しているんですよ!
①現状を客観的に把握する
抱っこして体重計にのり、自分の体重を引けばその差がそのコの体重。
こうして自宅で量ることもできますが、動物病院で量ってもらうのがおすすめ。
獣医師や愛玩動物看護士の視点から体重だけでなく体格の評価、定期的に量っていればやせてきているのか太ってきているのか、客観的に判断されます。
診察台に載っていると、飼い主さん側も不思議と冷静に犬猫の姿を冷静に見つめることができるようです。
自宅の写真を撮ってみると、片づいていると思っていたところでもストレスに気づきやすくなるのと似ていますね。
また、犬猫にとって動物病院は「動物病院に連れていかれる→コワイことされる→イヤ」と印象をもたれがち。
それが例えば「診察台で体重を測る→ホメてもらえる、ごほうびをもらえる→うれしい」のように、恐怖を減らすトレーニングの機会としても活用できます。
体重測定だけでも対応してもらえるかどうかは、かかりつけの病院にご相談ください。
②目標設定はお互いが達成できそうな範囲で
これまで運動せず、ラーメンライスにソフトクリーム、みたいな生活をしていたのに、
「1か月で10キロ痩せてナイスバディに!」
なんて目標を掲げると、からだとこころ両方に負担が大きすぎます。
部屋の片づけもそう。
SNSで見るすてきな部屋にしたい!という理想を抱く方は多いかもしれませんが、行動が追いつかずリバウンドしてしまうこともあります。
「一度にあげるおやつの量を半分にする」
「1か月で5%の体重減を目指す」
など、犬猫にも飼い主さん側にも「これならできる」という目標を設定するのがおすすめです。
③食事の管理は家族誰でもできるしくみで
犬猫のダイエットというと、食事管理がメインの方法になります。
そしてフードの種類やそのコの運動量、食欲によって、適切な量を調整することになります。
家族でごはん担当の方が決まっていれば問題になりづらいですが、家族だれもがごはんをあげることがあるのなら特に「誰でも一律にあげることができるしくみ」を整えておくのは大切。
とはいえ「このコはこのごはんを1日〇回、〇グラムあげる」と家族に覚えてもらうのは難しい。
あらかじめ計量カップに印をつけておいたり、小分けにしておくなど準備しておくと、自分が不在にするときでも家族にお願いしやすくなります。
片づけでも、家族がやりやすい方法を採用することで片づいた状態の維持が可能になりますよね。
また、②と関連しますが、おやつはトレーニングのごほうびにも重要なのでまったくナシにするのは正直難しいと感じます。
その場合、「1日にこれだけならあげてもOK」と分けておけば与えすぎの防止になるし、犬猫と飼い主さんの負担が減ります。
ダイエットと暮らしの見直しは共通する
このように、犬猫のダイエットは飼い主さんがハードルを下げて取り組むのがうまくいくカギになります。
これらは片づけを成功させるのに共通しているので、暮らしを見直す機会にもなりますね。
ついでに「わたしもダイエットしよう!」という気になれるかも??
犬猫の健康管理について参考になれたら幸いです。
個別の体調相談や適切な管理方法についてはかかりつけの動物病院でご相談くださいね。