片づけは住まいを豊かにするのか?正解を探していた私が今、思うこと

住総研の第106回すまいろんシンポジウム「片付けは住まいを豊かにするか?」に参加しました。

建築の仕事をしている友人に声をかけられたのですが、タイトルだけで即申し込み。
住まいに関わる分野の方たちは、片づけをどう捉えているのか?
住まいを豊かにするってどういうことなんだろう?
興味深く講演を聴きながら、暮らしと片づけについて思いを巡らせていました。

うちもこうすればラクになるはず、と思っていた

かつては片づけというと、限られた空間を工夫して使ったりする収納方法や、廃材を利用しての収納用品を作る方法などが、生活情報誌などで紹介されていました。

そこから、物をしまうことだけでなく、見た目のごちゃつきや、物を出し入れするときのストレスを減らす工夫も広まっていきました。

その発信を担ったのが、暮らしの実践を公開するブロガーたち。

何は隠そう、私もそんな片づけブログに夢中になった一人。

すっきり整ったキッチン。統一感のある収納用品。「こうしてストレスを減らしています」と紹介されるさまざまな手段。

「こんなふうに暮らせたら、毎日がどんなにラクになるだろう!」

そう思って、紹介されていた収納用品を買ったり、収納方法を真似したりしていました。

もちろんそれなりに整ったところもあったはずなのですが、正直なところ、何が使いやすくなったのか、暮らしがどうラクになったのか、あまりしっくりきませんでした。

私が探していたのは「片づけの正解」だった

当時の私は、ひたすら正解を探していました。

こうすれば片づく。

この収納なら散らからない。

こうすれば、子どもにイライラしなくて済む。

そんな方法がどこかにあるはずだと思っていたんです。

でも、紹介されている収納方法を真似しても、なかなか思い描いた暮らしにはならない。

そもそも、私とそのブロガーさんでは家族構成も、持っている物も、毎日の行動も違うのだから、当然といえば当然なのですが。

そのことに少しずつ気づかせてくれたのが、ライフオーガナイズでした。

さらに、慢性的に片づけられない状態への支援を学ぶCLOプログラムを通して、人によって片づけを難しく感じる背景や、暮らしやすいと感じる条件が違うことへの理解も深まってきました。

私にとっては当たり前の「使った物は元の場所に戻す」が、家族にとっても同じくらい自然なこととは限りません。

私が気持ちよく感じる部屋の状態が、家族にとっても快適とは限りません。

それぞれに大切にしたいことがあって、行動のしやすさも違う。

だったら、ブロガーの誰かの正解をそのまま使うのではなく、わが家に合う方法を考えよう、と思えるようになっていきました。

住まいの豊かさを、いろいろな視点から考える

家族で食卓を囲んで、思い思いにしゃべったり笑ったりしているとき
やりたいことに打ち込めるとき
こどもの成長を応援しているとき

特別なことをしているわけではない、ごく普通の時間。

そんな時間を気持ちよく過ごせる住まいが、私にとっての豊かな住まいであり、そのための手段が片づけだと考えています。

今回のシンポジウムでは、社会学や収納デザイン、建築やミニマリストの視点から見る片づけについて触れることができました。

それぞれの専門分野によって、片づけを見る角度も、着目するところも違います。
それを知る事によって、これまでの自分の学びを別の角度から確かめることができました。

私はライフオーガナイザーとして、人の価値観や行動、家族との関わり方に目を向けながら、暮らしの仕組みを整えることを大切にしています。

さらに獣医師としては、同じ家で暮らす犬や猫が安心して過ごせる環境も欠かせません。

今後、住まいに関わるいろいろな分野の方々とも協働しながら、犬猫も人も、無理なく心地よく暮らせる住まいづくりに関わっていけたらと考えています。