わたしはライフオーガナイザー🄬になる前から小動物臨床獣医師として仕事をしており、今も続けています。
片づけと獣医療、畑違いにみられそうですが、どちらももう一方の知識や経験が活きることが多い!
片づけのクライアントさんや動物病院に来院される飼い主さんの笑顔が見られることに、大きなヨロコビを感じます。
同時に、片づけや診療現場において、犬や猫との暮らしにまつわるさまざまな問題を耳にすることがあります。
時間がとれず十分なケアがしてあげられない、問題行動に困っている、飼育できない状況になった、など。
それらに直面する犬や猫の苦悩や飼い主さんの心境や想うと胸が痛むばかり。
ここにライフオーガナイズと獣医療、両方をつなぐ自分が働きかけられることは?
人と犬や猫の暮らしを家庭に合わせて最適化すること
これがわたしのミッションです。
しかしまだまだ「獣医で片づけ?」とピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は飼い主さんと犬と猫、おたがい幸せに暮らすために片づけが必要である理由を
具体的にお伝えしていきます。
目次
理由①犬と猫の危険を減らす
病気やケガは、人と同じく予防できるものと予防が難しいものがあります。
なかでも住環境を整えることが重要な予防手段になるのは、以下の3つが挙げられます。
- 異物や中毒物質の誤飲
- 脱臼や骨折などの整形外科疾患
- 不適切な排泄などの問題行動
異物や中毒物質の誤飲
おでんを串ごと飲み込んだ、手羽先を丸ごと食べてしまった、バレンタインのチョコを盗み食いされたなど、
なんとなく気持ちはわかる場合もあれば、
首輪を丸飲みした、ペットシーツを食べてしまった、薬を飲んでしまった、など理解に苦しむものまで
犬や猫が誤飲してしまうものはなかなかバリエーションが豊富。
すぐ対応が必要になるものが多いし、命に関わる状態に陥るケースも。
連れてこられた飼い主さんから「すぐに片づけておけばよかった」と聞くことも少なくありません。
「犬や猫から届かない収納」にされていても、
「すぐに片づけられる収納」になっていない場合もあるのではないでしょうか。
脱臼や骨折などの整形外科疾患
膝蓋骨の脱臼や骨折治療中、はたまた高齢で関節炎の症状がある場合、
床を滑りにくくしたり、スロープを設けるなど、室内の移動や遊びにも注意するポイントがあります。
それにもある程度スペースや、家庭にあわせたモノ選びをする必要が生じるので、部屋の使い方にも影響します。
犬や猫がスムーズに歩き回れるようにするのと、家族の生活を両立させる動線が重要です。
不適切な排泄などの問題行動
これ、大変ですよね。
モノへのダメージや飼い主さんの精神的ダメージもさることながら、彼らの行動には理由があります。
おかしい!と思ったら、まずはかかりつけの動物病院へ受診されることをお勧めします。
特にからだに異常が見つからず、困った行動が続く場合は、
普段過ごしている場所を見直すと解決の糸口が見つかることも。
暮らしの小さなひっかかりを見逃さない片づけの視点が役にたちます。
理由②お世話をラクにする
フードや飲み水の管理、散歩があるコは散歩、爪切りやブラッシングなどのグルーミング、排泄物の処理など、
犬や猫が快適に暮らせるために飼い主さんがやってあげるお世話はさまざま。
それが飼い主さんにとって面倒だと、ついつい後回しにしてしまったり、十分なケアがしづらくなることも。
これらは健康状態のバロメーターでもあるので、作業自体はラクに済ませる仕組みを作って、
しっかり観察してあげる余裕を作りたいですね。
理由③いっしょに暮らす間ずっと続く
②とも通じますが、お世話はずっと続きます。
人のこどもと違って「ごはんの支度ができるようになったわ!」なんてことはありません。
毎日のことなので、自分がラクにできる仕組みが犬や猫との関係を助けてくれます。
また、ケガや病気で、自宅での投薬などケアがさらに必要になることも。
そうしたイレギュラーな事態や、治療内容などで選択を迫られる場面に遭遇することがあるでしょう。
そのとき、普段の暮らしがスムーズに回っていることが、
飼い主さんにとって精神的にも肉体的にも支えになります。
このコのために、自分もラクに
獣医療から見ても、片づけは犬や猫の安全確保や日々のお世話のために必要であることをお伝えしました。
このコのために片づけがんばろう!と思えるのはポジティブな片づけモチベーションになりますし、
思考の整理から始めるライフオーガナイズでは、自分や家族にとって無理なくできる方法を探っていきます。
何から始めればいいか、どうしたらいいかわからないなどお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
スコティッシュのあんこ(推定18歳、去勢♂)とともにお待ちしております。